学会長挨拶
第24回日本産業精神保健学会が平成29年7月1日(土)および2日(日)の二日間にわたり、杏林大学井の頭キャンパスに於いて開催されることとなりました。まずもって、本学会の学術総会の主催という身に余る栄誉を頂いたことに厚く御礼申し上げます。
ご参加の方々にご満足頂けるような総会にしたいと願っておりますので、皆々様方の尚一層のご支援、ご協力をお願い申し上げる次第です。

日本産業精神保健学会は、平成5年(1993年)7月10日に順天堂有山記念講堂で井上令一順天堂大学教授(当時)の主催で開催されて以来、今回で24回目となります。この間において、本学会は産業の場における精神保健に関連する有用な研究や実践の成果や情報の検討・共有の場としての役割を果たして参りました。また並行して労働安全衛生の行政においても労働者の精神保健の向上に資する法制度上の改正が積み重ねられてきています。最近では平成27年(2015年)12月に労働者50人以上の事業所でのストレスチェック制度の義務化が施行されております。これについては、多くの事業場において行政の指導に沿っての手探りに近いスタートでありましたが、この間の推移は順調で、今後の職場のメンタルヘルス対策立案に有効に活用されるものと期待されています。

日本の国内においては経済の停滞が言われていますが、全国的にみて有効求人倍率が大きく改善していることや人手不足が言われていることなどからして、相応の回復基調にあることが伺われます。しかし、一方、目を世界に転ずると、程度の差はありますが、今や世界中の多くの国々で政治・経済に混乱が生じており、この世界全体が不透明・不安定な状況となっていることは否めません。
我が国も国際社会の一員であり、そのような混乱に巻き込まれざるを得ないのですが、そのような時代であればあるほど、個々人にとっても生き残っていくという「精神の力」が肝要になっていることは疑いのないことであります。そこで、今回のテーマを「レジリエンス・ビルディング」とし、その視点から、最新の研究や実践の成果を集め、参加者間での検討を加え、さらなる高みに進むための一歩を生み出したいと企図しております。

会場は平成28年4月に開校となった杏林大学井の頭キャンパスであります。ゆったりとした敷地の中で、のびのびと教育・研究できる環境にあります。多くの方々のご参加、ご発表を頂き、活発な検討も頂き、実りある学会となりますよう、皆々様の暖かいご支援・ご協力を、重ね重ね、お願い申し上げます。

杏林大学保健学部健康福祉学科
教授 松井 知子
 

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